みずがめ記

既婚だけど単身でドイツにワーホリに来て、就労ビザで延長滞在。帰国してもドイツが好き。

パン屋でわかるドイツ人(1)

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パン屋は楽しい。

お客さんが笑顔で帰ってくれると嬉しい。

けど、楽しいことばかりではなくて、お客さんの言うこととか振る舞いに落ち込むことも多いです。今日はそんなことを記録。

心が舌に乗っているドイツ人

ドイツのことわざで、思ったことをすぐ言うことを「心が舌に乗ってる」と言います。本当にそうで、彼らはとにかく自分の意見を言う。後先とか、相手のこととかは考えないで、とにかく言う。だって言いたいから、というのが彼らの論理。これがすごい。

パン屋で働いていると、それによく出くわす。

「こないだこのパン食べたけど、おいしくなかった。」と言うお客さん

わざわざ言うかー!?と思うけど、言う。でも怒ってるわけじゃない。別のパンを買って、「ありがとねー!」と笑顔で帰ってく。二重人格かってくらい違うけど、同じ人物なのが面白い。しかも同じ日というか5分程度の話だし。すごい。

「なんで僕がここに来るときにいつも閉まってるわけ?」と言いにきたお客さん

パン屋が休みの日曜日または月曜日、その他の曜日の閉店後にいらっしゃったようですが、これは一体・・・。そしてそれだけ言って、何も買わずにお帰りになりました。定休日変えてよ、とか、20時までオープンしててよ、とかそういうことじゃなくて、ただ言いたい。これを言うためにわざわざいらっしゃった。すごい。

「それ小さいから、別のにして。」というお客さん

日本のパン屋は自分で選んでレジに持ってくタイプが多いので、店員が棚から取って袋に詰めてくドイツのパン屋とは違うところ。

一応、重さは全部同じなのですが、膨らみ具合によって小さく見えたり、大きく見えたりする。Semmelというドイツで典型的な小さなパンを注文されたときによくある。「Semmelを3つちょうだい。大きいやつね。」と言われたり、「右から3番目の奥のやつと、その2つ左のと、一番左のやつ。」とか、「違う違う違う、それじゃなくてその右!そうそう!それ!」とかコントロールされると少し、ほんの少し、「がめt・・・」と思う。

それから、1kgのどっしりしたパンは、ホールかハーフで売っているのですが、そのハーフが気に入らない人々。「それ小さい方のハーフだよね?」「いいえ」「いや、そうだよ」「・・・。別のパンをハーフに切りましょうか?」「うん、そうして」。ほんの少し、ほんの少し、心に影が落ちる。

だってお金払ってるし

というセリフをたまに聞く。わたしの中で結構印象的。これにどれくらいの価値があるか?この値段は見合っているか?という考え方。

そりゃ、同じ値段のパンなら少しでも大きい方がいいよね。最初は言われて悶々としていたのですが、彼らの想いに寄せるように試み中。

しかしながら、少しでも自分の利益を増やしたい&それをはっきり主張する&決して譲らないというがドイツ人ぽいなと思います。日本だと何か言いたいことがあっても遠慮することのが多そう。自分の日本での経験を思い返してみると、、、

  • 量り売りのアボカドシュリンプサラダを頼んで、シュリンプが全然入ってなくて迷った挙句何も言わなかった
  • スープ屋さんのパンがおいしすぎて、どこのパンなのか聞こうと思ったことけど聞かなかった
  • カフェで頼んだコーヒーがぬるすぎて、もういっかい温めてもらえないか言ったことはある

で、ドイツ人のパンのこだわりと、それを満たすための要求がすごいなとも感じるので、それは別記事で。